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最新レポート
2 March 2007

 かつて日本でもてはやされたGI値(Glycemic Index)がダイエットや糖尿病予備軍の食事療法として、アメリカでにわかに注目をあつめています。アメリカの栄養療法における糖尿病治療では以前から、食材によって血糖値上昇のメカニズムが異なるこのGI値をベースにした食事指導が実践されてきました。GI値についての詳細な説明は省きますが、カロリー計算一辺倒の食事療法に比べ、エビデンス、患者のQOLが明確に考えられた治療法によって、今や、不治の病とされてきた糖尿病が、セルフコントロールと栄養によって完治することも夢ではないと考えられるようになりつつあります。最近、日本でもメタボリック症候群というキーワードが世の中を賑わせており、糖尿病をはじめとする生活習慣病にならないために、「予防」から「未病」という考え方も進められていますが、日本においては、医師や医療スタッフが考えている以上に、糖尿病患者が受ける精神的なストレスが多いことについての研究があまり行われていません。欧米では以前から患者のQOLを考えた治療法の研究が進んでいます。また、糖尿病、特にインスリンに依存しない2型糖尿病の進行には年齢や遺伝的な素因だけでなく、ビタミン、ミネラル、タンパク質など栄養素が深く関係していることが数々の研究で証明され実践されています。
日本における糖尿病と栄養の関係は依然としてカロリーに注目されていることは残念ですが、ここ数年、日本でもNST(Nutrition Support Team:栄養サポートチーム)が大学病院や中規模以上の病院に設置され、医師だけでなく管理栄養士、看護士、薬剤師などのパラメディカルスタッフが参加し、患者の病中病後の栄養管理による治癒促進や管理を積極的に行うようになったことは歓迎すべきことだと思います。日本でも多くの医療施設が2型糖尿病患者の食事指導の際に「低脂肪・高炭水化物」を唱えますが、アメリカにおいて栄養療法で糖尿病患者に対応している医師やNSTのスタッフは、低脂肪・高複合炭水化物だけを選択するのではなく、患者のインスリン分泌状態およびグルコース―インスリン耐性を検査したうえで食事指導および栄養指導を行います。特に、2型糖尿病の家族歴を持つ患者への食事指導は「高タンパク・高ファイバー」が勧められます。
・インスリン抵抗性を持った2型糖尿病患者に対する栄養療法で処方される栄養素
1、クロミウム
クロミウム(3価)の摂取がファーストチョイスとなります。クロムは、インスリンに対する耐性を改善するミネラルであり、幸い非常に安全なミネラルです。Dr.ライトをはじめとする栄養療法医師のほとんどは、1日あたり1000μgのクロムを服用させることで、インスリン耐性の改善を行ってきました。
2、ビタミンC
ビタミンCには、2型糖尿病の中期以降に発現頻度の高い、糖尿病性神経症の原因とされているソルビトールの蓄積を防ぐ作用があるとされています。ビタミンCの選択に際して、市販されている多くのビタミンCには、甘味料としてソルビトールが含まれているものが少なくないと言うことに注意するべきです。
3、ビタミンE
非常に高い抗酸化作用を示すビタミンEは、ビタミンCとともに酸化ストレスの除去を促進するとともに、グルコース感受性を改善します。このとき、オメガ-3脂肪酸を豊富に含むFLAX油などを併せて摂取することによって、インスリン耐性改善を促進させます。
4、ビタミンB6
ビタミンB6は、糖化、および、炭水化物分子がタンパク質分子と反応することにより糖化するプロセスによって産生される糖化複合体(AGEs:Advanced Glycation end products)の崩壊を予防する作用をもち、糖尿病性神経症の予防に効果的なビタミンです。
5、α-リポ酸
α-リポ酸は抹消循環の改善作用が強いことから、糖尿病性神経症の予防に効果的です。また、糖化複合体(AGEs)がつくられることを防いでくれます。
6、バナジウム
バナジウムは必須ミネラルではありませんが、膵臓を除去したラットにおける動物実験で、バナジウムを与えたラットの血糖コントロールが可能であった研究結果をもとに、栄養療法ではポピュラーに処方されるミネラルです。実際、栄養医学研究所における爪分析検査の結果、2型糖尿病と診断され治療を行っている被験者の多くは、バナジウムレベルが正常者に比べて低い結果がでています。
7、シナモン
シナモンに含まれる水溶性成分のMHCP:メチルヒドロキシカルコンポリマー(Methyl Hydroxy Chalcone Polymer)はインスリン様作用を示すことがアメリカの国立健康研究所(NIH)で発見されています。MHCPにはインスリンと同じように、血液中のグルコースを細胞内への吸収を促進させる働きがあるだけでなく、グリコーゲンの合成を促進する働きもあります。またMHCPはインスリンと共に働く協調性をもっており、必要以上にインスリンの生産を促すことはしません。
従来のビタミン・ミネラルに加えて処方されることで、適確な栄養素の摂取によって、2型糖尿病はもはや治療困難な病気ではないところまできています。

栄養医学研究所 所長 佐藤章夫
日本サプリメント協会顧問
トップ  >  英国レポート  >  黒川レポート No.004 アレルギーリサーチファウンデーション主催セミナー
10 February 2007

 先日、アレルギーリサーチファウンデーション主催のセミナーに行ってきました。
課題は「プロバイオティックス(善玉菌)、従来医療として多用の可能性」です。講演者は皆、医者や教授の方々で、出席者も80%程が医者、看護婦などの医療関係者でした。善玉菌はよく栄養セラピーで用いられる療法ですが、従来医療の現場でも注目を高めていることは興味深いことです。医学会全体でいう熱烈な支持者の割合は解りかねますが、少なくともこのセミナーに参加していた医療関係者はほぼ全員支持者であることが、この日最後に行われたアンケートで分かりました。

善玉菌が健康に有益な事は栄養セラピーでは最重要視している点であり、従来医療の現場でも副作用の多い薬を使わなくても善玉菌が有効であれば、使用の頻度を増やして欲しいという願いもあり、今回のセミナーはとても重要なものだと感じました。 善玉菌が消化器系の問題に有益な事はよく知られていますが、他に重要な機能として、免疫力を高めるということです。腸内バクテリアは体の中でも、1、2を争う程に免疫力に影響しているものです。体内バクテリアの数は実は細胞全部の数よりも多いもので、善玉菌の重要性が分かります。

このセミナーで興味深かった事は、善玉菌(プロバイオティックス)サプリメント製品の品質チェックの調査の結果でした。英国内で発売されているプロバイオティックス サプリメントを調査したところ、38あるプロバイオティックス サプリメントの内、17の製品はパッケージに表示してある量の5%以下の量しか含まれていなく、10の製品はプロバイオティックス以外のバクテリアが混ざっているという結果でした。ファンクショナル フード(プロバイオティックス ドリンク等)は、表示に見合う量が含まれているという事でした。プロバイオティックス サプリメントの流通経路における品質保存がいかに難しいか分かります。プロバイオティックス サプリメントでは、プロバイオティックス ドリンク等では補えない程の補給が可能で、しかも安全性も高いものなので、治療に用い場合にはとても有効なものです。日本はプロバイオティックス製品に関して先進国で、一般の人達にもその有益性はよく知られています。今後は質の高いプロバイオティックス サプリメントの活躍にも期待したいところです。(黒川)
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