サプリメントに「薬効」はあるか?

サプリメントは薬だと思っている人は多い。形状が、カプセルや錠剤だからか。そのうえ商品広告のキャッチフレーズを見ると、「糖尿病に効く」「アトピーが治った」「ガンを克服」などの記述が巷に氾濫している。

し かし、サプリメントは基本的に「食品」なので、「薬」のような治療・予防効果を謳うことはできない。先述の広告例などは明らかな違法行為だ。法律(薬事法 第2条)では、「身体の構造、機能に影響を及ぼすことが目的とされている物」というのは薬の専売特許で、食品はその外にある、という解釈だ。

た だ実際は「食品」によって症状が改善したり、疾患が治癒したりする例は山とある。たとえば「ギムネマ・シルベスタ」という素材がある。ガガイモ科の植物だ が、腸管での糖の吸収を遅らせてインスリンの分泌を抑える。糖尿病の治療薬と同様のメカニズムだ。サプリメントには、こうした薬理作用を持った「食品」も 数多くある。

一方、頭痛を例にとると、薬は痛みを抑える対症療法を行うが、γ-リノレン酸やビタミンEの摂取で頭痛が治る場合は、これらの栄養素によって末梢の血流が良くなることで症状が改善する、いわば原因治療だ。筋緊張性の頭痛には、このケースが多い。

に も関わらず効果を謳えないのは、その因果関係を科学で証明しにくいからだ。ニュートン以来の科学が、還元主義的な手法を得意としてきたので、薬のような“ 単純系”には役に立つが、食品のような“複雑系”には沿わない。結局は科学の判断を待つよりも、自分の体に聞いてみるのが正解だろう。

(後藤典子=NPO日本サプリメント協会代表理事)